田中伸一 『アクセントとリズム』英語学モノグラフシリーズ14 研究社
著者: 竹林滋、斎藤弘子
発行社: 大修館書店
発行年: 1998(改訂新版)
レベル: 易
備考: 授業「英語音声学」の教科書
英語の音声について詳しく解説した本。前半は各母音・子音に関する詳細な記述があり、後半ではイントネーションやアクセントについて説明している。
私は1年次の授業でいきなりこれを使ったが、全く意味不明というわけでもなかったので、初心者でも十分読めると思う。
余談だが、著者の斎藤弘子氏は東京外国語大学の助教授なので、外大院の英語専攻を受ける人は読んどくといいかも。
著者: 斎藤純男
発行社: 三省堂
発行年: 2006(改訂新版)
レベル: 易
備考: Y先輩のおすすめ
日本語音声学の本だが、音声学全般の解説もなされているので、音声学の入門書としても使える。英語と日本語のリズムの違い、日本語のモーラ(拍)についても解説がある。
著者: 田中伸一
発行社: 研究社
発行年: 2005
レベル: 普通
備考: −
音韻論の入門書。3章構成で、1章が音韻論の入門、2章が派生理論とその限界、3章が最適性理論(OT)の解説となっている。レベルとしては、1章が易〜普通、2〜3章は普通〜やや難。易といっても、モーラなど超基本的な用語の説明があるわけではないので、ある程度の音声学・音韻論の知識は必要となるだろう。(『日本語音声学入門』を先に読むとか)
全体的に喩え話が多く、面白い。
2章はいろんな理論が出てきてごちゃごちゃしている上、具体例も知らない言語(アメリカ・インディアンなど)ばかりなので、読むのが大変だった。章末にまとめの表があるので、そこを適宜参照しながら読むといいと思う。
3章もやはり難しいが、最適性理論の表(tableu?)は派生理論と比べてだいぶ理解しやすい。とりあえず「!」がついたら最適ではないらしい。びっくりするほどダメってことだろうか。
余談であるが、第1章で触れている「英語の罵倒語fuckin'やbloodyの挿入位置」は2005年の東大院入試に出たが、この本の発行年が2005年なので、本から出題されたというよりは執筆中に問題を作ったと考えた方がよさそう。(著者の田中先生は2006年1月時点で東大の助教授)
田中先生のウェブサイトがあります。写真あり。こういう写真と目が合ってしまうと気恥ずかしくなってしまうのは私だけだろうか…。
「田中伸一のホームページ」