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2006年3月2日(木) Page7

(10) ベナキ博物館  《ツアー》アテネ by Night


(10) ベナキ博物館

アカデミーなどを見物した後、コロナキ地区にあるベナキ博物館に行く。ここが今日の最後の名所だ。1ページから読んでいた皆様、お疲れ様です。

オモニア広場とコロナキ広場はちょっと離れているし、コロナキには他にも博物館があるので他の日にまとめて回った方がいいと思われるかもしれないが、ベナキ博物館には今日(木曜)行かなければならないのだ。なんてったって、通常6ユーロするのが木曜無料。行かないと損だ。公式サイトにもちゃんとそう書いてある。

無料だからそのまま入れるだろうと、受付を無視して入ったら受付嬢に呼び止められた。一応チケットは出してくれるらしい。それと、館内ではカメラ・鞄の持込が出来ないそうだ。だから今回写真はありません。ご了承ください。中の様子は公式サイトで見れます。
展示内容はギリシャ定番の壷、土器などだったが、タダだったせいか、まだ1日目だったせいか、結構楽しめた。

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《ツアー》 アテネ by Night

名所を10箇所も回って、疲れきってホテルに退散した我々3人。

途中、昼飯を食べていないことを思い出し、屋台でクルーリ(κουλουρι)を買う。クルーリとはゴマを振った輪っか型のパンである。値段が安くておいしいので、一発で気に入った。
クルーリ屋台はペリープテロと並び、アテネで良く見かけるものだ。通勤客が途中で買う風景もよく見かけ、中には腕に通しているおばさんも見た。

クルーリ  クルーリ2

↑クルーリ2種。1つ0.5ユーロ。

 

このままベッドでバタンキュー……となっていたなら、最初のページでわざわざ「長い一日」とは書かない。真に長かったのは、実はこれからだったのだ。

この日は、夜にアテネ by Nightというツアーを申し込んでいたのだ。我ながらハードスケジュールだと思うが、ツアーが木曜のみ開催なので仕方ない。19:30にホテルに迎えのバスが来るので、それまでテレビなど見つつゴロゴロ。天気予報がやっていたが、地図上をぐるぐる回るのでどこの天気だか分からん。昨日は機中泊だったから、1日ぶりのベッドだ。

時間を15分過ぎても迎えが来ないのでフロントから電話をかけようとしたら、やっとバスが到着。南欧の国なんだから時間にはルーズなんだろうね。

このツアーは、ミクロマリノに行ってウゾを飲んだ後、アテネのプラカ地区にあるタヴェルナ(ギリシャの居酒屋)で民族舞踊を見つつ食事をするものである。(詳しくはマリソルのサイトで)
なんでピレウスまで行かなきゃならないのか謎だが、そんなきついツアーじゃなさそうだと高をくくっていたのだが……。

 

まずは、バスに揺られてミクロマリノへ。疲れていたので、バスに乗って速攻寝てしまったので途中の風景は何も覚えていない。暗かったから港かどうかも分からなかった。

バスを降り、レストランに通された。そこで改めてみて気付く。回りが外国人ばかりだ。みんな英語で会話している。入れない。
困っていたら、語学力堪能な同行者Α(英検1級所持)が自己紹介をして「隣の二人は疲れていて眠いので会話できません」とか言ってくれたので、話しかけられなくて済んだ。ぶっちゃけた話、こいつを連れてきたのは通訳させようとの目論見があった……なんてことは本人には言ってない。

上記のように同行者Αが先手を打ってくれたが、他の人と目が合うとイヤなので、私と同行者Βずっと下を向きっぱなしだった。

出た料理は、以下の7種。おつまみが思ったよりたくさん出て嬉しい。

 

酒でちょっとフラフラになりつつ、一行はタヴェルナへと移動。シンタグマ広場あたりを通った気がするが、暗いのでよく分からない。
バスを降りるとき、運転手は帰りの時間について何も言ってなかったが、そのうち迎えに来るんだろう。
この思い込みがとんだ災厄を引き起こすこととなった……。

タヴェルナ「ネオス・リガス」(Νεος Ρηγας)は各種ガイドブックにも出ている有名店だ。
この店、別のガイドブックには「ニュー・リガス」と出ていた。ネオスとニューじゃだいぶ違うと思われるかもしれないが、「ネオス」はギリシャ語で「新しい」(new)を意味する形容詞なので、どっちでも意味は同じってわけ。英語でも新しいものを「ネオ〜」って言うよね。例は……「新世紀エヴァンゲリオン」の英題"Neon Genesis"しか浮かばないや。(ネオンが「新」、ジェネシスが「世紀」)
なお、ネオスは男性名詞を修飾するときの形で、中性だとネオンとなる。そう、あのネオンサインの「ネオン」と一緒である。といっても、ネオンサインが新しいわけじゃなくて、ネオンという元素を使っているからネオンサインと言うんですけどね。きっと「新しい元素」って意味でネオンってつけたんだろう。
余談ですが,「マトリックス」の主人公ネオはギリシャ語のネオスではなく、神を意味するoneのアナグラムだそうだ。

閑話休題。
入ってみると、既に地元客がすごい盛り上がりを見せている。圧倒されつつ、ステージに近い席へ。

ここでもメシがたくさん出た。さすが40ユーロ取るだけある。さっきあんなにザジキ&パン食べなきゃなとちょっと後悔。結局全部は食べ切れなかった。
メニューは以下の通り。

ショーは歌と舞踊が交互に繰り返される。歌の方が長め。大半はギリシャ語の歌(たぶん)だったが、途中でシェリト・リンド(イタリア語)やら悲しき天使(英語)やらも唄っていた。どうも、ギリシャでは古めのポップスが好まれているようだ。

タヴェルナの歌手

↑歌手の衣装は地味。ふつうのおっさんだ。

 

ブズキ

↑ギリシャの民族楽器「ブズキ」の演奏(たぶん)

 

民族舞踊は躍動感あふれるものが多く、隣のテーブルではやたらに歓声があがっていた。よそ者のツアー客は逆に引き気味。

民族舞踊

↑赤と黒が印象的な民族衣装

 

ベリーダンス

↑ベリーダンスもあった。もっと若いとよかったんだがな

 

だが、我々を真に疲労困憊させたのはこの異様な盛り上がりではない。それは、時間である。22:30を過ぎ、23時を過ぎても迎えが来ないのだ。さすがに飽きて帰り始めるツアー客。
23:30を超えた時点で、疲れを通り越して笑いに変わった私と同行者Α。同行者Βは言葉もない。(その前に言葉の壁にぶちあたってかなり落ち込んでたようだ)

民族舞踊2

↑踊ります

 

民族舞踊3

↑まだ踊ります

 

民族舞踊4

↑まだまだ踊ります

 

民族舞踊5

↑もう勘弁してください

 

24時を過ぎた時点でこれはもう我慢ならんということで、残っていたツアー客(大半は自力で帰った)が全員で外に出ると、運転手が追いかけてきた。なんでも、我々が出るのを待っていたらしい。なんだそりゃー!! 我々はあなたを待っていたんだぞ。ダメな待ち合わせの典型である。思い込みはよくないな、ちゃんと口で言って意思の疎通をはからねば、と強く心に誓った一瞬だった。

疲労困憊を通り越した状態でホテルにたどり着き、順にシャワーを浴びて寝たのはもう2時近かった。あぁ、本当に長い一日だった。明日は7時に朝食だというのに、大丈夫なんだろうか。本気で心配になった。
なお、この夜のことは3人の間で「エンドレス・アテネ」として伝説に残ることとなった……。

(3月2日 おわり)

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