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参考文献の書き方(日本語・英語)

 

このページでは、私が普段レポートに使っている書式を紹介します。
なお、専門により引用文献の書き方などは違いますので、詳しくは担当教官などに確認してください。また、このページを利用して被ったいかなる不利益の責任も私は負いかねますので、その点ご承認の上ご参照ください。

ぶっちゃけた話、こんなサイトを見るよりも、レポートを書いている分野の本の参考文献リスト(本の巻末についています)を見て大体の書式をつかんだ方が、安全かつ確実です。

 

省略の書き方   日本語  英語

参考文献の書き方   日本語  英語

おすすめ参考文献・ウェブサイト


【省略】

日本語

「……」(六点リーダ)で書く。

〔例〕
 私は本当に恋をしていたのだろうか。……彼が離れていかないように、無意味な自己防衛をしていただけなのかもしれない。(スアド『生きながら火に焼かれて』p.134)

 


英語

". . ." ピリオド3つ(文の終わりの時は1マス空けて文末ピリオド". . . .")。
引用元にもともとあったピリオドではなく、自分で書き加えたと明示したい場合は、角カッコ(bracket)に入れて[ . . .]とする。(角カッコは自分で書き加えた場合に使うので、例えば「原文ママ」は英語では[sic]となる)

〔例〕
if those eyes of hers were different, that is to say, beautiful, she herself would be different. . . .If she looked different, beautiful, maybe Cholly would be different, and Mrs. Breedlove too. (Toni Morrison, The Bluest Eye, p.34)

※ 長い引用(5行以上)のさいはスペースをとる。
Pecola's thought cited below strongly shows her idea that the blue eyes will make everything better dramatically.
     - if those eyes of hers were different, that is to say, beautiful, she herself would be different. …If she looked different,
     beautiful, maybe Cholly would be different, and Mrs. Breedlove too. Maybe they'd say, 'Why, look at pretty-eyed Pecola.
     We mustn't do bad things in front of those pretty eyes." (34)
It also can be said that she believes the people around her behave badly or "uglily" because she is ugly. In fact, her ugliness derives from her...

 


【参考文献 References】

日本語

《書籍の場合》
著者の名前. 発行年. 『書名』 発行地: 発行元.

〔例〕
小泉保. 1997. 『ジョークとレトリックの語用論』 東京: 大修館書店.

《論文の場合》
筆者の名前, 発行年. 「論文名」 収録誌(書籍)の編者名. 収録誌(書籍)名. 発行所: 発行元.

〔例〕
Minsky, Marvin. 大沢秀介訳. 1993. 「ジョークと認知的無意識の論理」Minsky, Marvin et al. 『反構造としての笑い: 破壊と再生のプログラム』東京: NTT 出版.

参考文献のサンプル↓
サンプル


英語

《書籍の場合》
著者(編者ならed.をつける。複数の編者ならeds.),書名(和書の場合は書名の意訳を[ ]に入れてつける。手書きの場合、イタリックのかわりに下線をつける).発行所:発行社,発行年.
なお、大文字にしないのは、冠詞、等位接続詞、前置詞。

〔例〕
Yamada, Masahiro and Ehara, Yumiko,Gender no Syakaigaku(Third Edition) -Onna To Otoko No Siten Kara Miru 21Seiki Nihon Syakai- (Sociology of Gender-Japanese Society in the Light of Women and Men-).Tokyo:Housou Daigaku Kyouiku Sinkou Kai,2003.山田昌弘・江原由美子『ジェンダーの社会学(改訂新版)――女と男の視点から見る21世紀日本社会』放送大学教育振興会、2003

Sandra Clarke ed., Focus on Canada (Variety of English Around the World G11). Bethlehem Pike: John Benjamins North America, 1993.

別の方式として、発行年を最後に書くやり方もある。リプリント版(rpt.)が出ている場合などに便利かもしれない。
なお、下の例で括弧に入っているのはシリーズ名である。この本はOxford社から数種類のシリーズが出ているので、他と区別するために明記した。

〔例〕
Fielding, Henry. The History of the Adventures of Joseph Andrews and of his Friend Mr. Abraham Adams. 1742. rpt. Joseph Andrews and Shamela. (Oxford World's Classics) Oxford: Oxford University Press, 1999.

ホームページの場合はアクセス日も書く。
www.skatingjapan.or.jp (accessed Jun 7th)

《論文の場合》
著者名(姓, 名の順). "論文タイトル". 収録雑誌と巻(号), ページ.
イギリス式の場合、ダブルクオーテーション(" ")ではなくシングルクオーテーション(' ')を使う。
〔例〕
Hume, Robert. 1977. 'Marital Discord in English Comedy from Dryden to Fielding.' Modern Philology 74(3), 248-272.

 
参考文献のサンプル
サンプル


【おすすめ参考文献・ウェブサイト】

ここでは、私がレポート・卒論を書くにあたって参考とした資料を紹介します。(研究計画書の書き方に関しては、「院試対策:研究計画書」のページをご覧下さい。)
なお、ウェブサイトに関しては「リンク集1.大学生向け」もご覧下さい。

参考文献   参考となるウェブサイト   ウェブ上で読める卒論


 
《参考文献》

ジバルディ, ジョゼフ. 2002 (5th). 『MLA英語論文の手引』 東京: 北星堂書店.

アメリカでメジャーな書式「MLA」に則った論文の書き方を紹介。このページに挙げたような引用の書き方だけで40ページもあって、圧巻のボリュームだ。図書館とかによく置いてあると思うので、気になることがあったら適宜参照するといいかも。

 

山内志朗. 2001. 『ぎりぎり合格への論文マニュアル』 東京: 平凡社.

その名の通り、ぎりぎり合格点が取れるレポート(論文)を書きあげることを目標としている。特に1〜2年次におすすめ。日本語の様々な記号の使い方(カッコの使い分けとか)も載っていて勉強になる。ユーモア溢れる文体なので、レポートが書けず鬱々としているときに読むと元気が出るかもしれません。
 

新堀聡. 2002. 『評価される博士・修士・卒業論文の書き方』 東京: 同文舘出版.

卒論をどんな順序で書くかの手引き。こちらは「卒論」と銘打っているので、学部3〜4年向けかな?(私は締め切り半年前に追い詰められて読んだが、もっと早く読んどけばよかったと後悔。)
引用の書き方も数種類の書き方が載っている。

 

中村明. 1995. 『悪文 −裏返し文章読本』 東京: 筑摩書房.

論文を書くには、簡潔な文章を心がける必要がある。規定枚数に達していても、読みにくかったり筋の通らない文章を書いたりしていると、評価が低くなったり、最悪の場合読んでもらえないことも。
この本では、「悪文」を挙げつつ、どうしたら読みやすい文章を書けるかを指南してくれるので、論文執筆前の早い段階(学部1〜2年)で読んでおくといいのではないだろうか。
(余談だが、この本は某SGK先輩が、私の文章があまりに読みにくいのに耐えかねてプレゼントしてきたものである。)

 

三輪伸春. 2005. 『シェイクスピアの文法と語彙 英語史で読むシェイクスピア』 東京: 松柏社.

この本はシェイクスピア(初期近代)の英語の入門書ではなく、論文集である。しかも、ベースが著者の指導した卒論なので、英語史で卒論を書こうと思っている人には大いに役に立つ。内容がかぶらなくても、英語史卒論の「型」を見られるのだから。なお、序論には「レポートの書き方」もついている。
Bibliographyも割りと詳しいので、自分の読まなければいけない論文もある程度探せると思う。

ところで、どういうわけかこの本はAmazonでもwebcatでも松柏社(発売元)のサイトでも引っかからない。もう絶版なのだろうか?? それとも幻の1冊なのだろうか……。
そんなわけで、入手は困難そうなので、直接の知り合いだったら貸せますよ。

 


《参考となるウェブサイト》

《全般》

新田玲子先生のホームページ
文学系レポートの書き方が分かりやすくまとめられています。何度もお世話になりました。

 
大阪教育大学教員養成課程 社会科教育講座 歴史学専修
レポート・論文を書くためのリンク集があります。卒論・修論体験記もあり。

 
University of North Carolina [Scientific Reports](※英語サイト) 科学系論文を書く手順・形式について。

 
《フォーマット見本》

Linguisic Society of America: Language style sheet(※英語サイト)
アメリカ言語学協会の機関誌Languageで使用されている論文スタイルシートです。
言語学系で英語論文を書く方には参考になるかと思います。 トップページはこちら

 
向井毅研究室
卒論の表紙、本文、文献目録のサンプルがPDF形式で閲覧できます。

 
Oxford International Journal of Lexicography [Style Sheet](※英語サイト)
International Journal of Lexicographyという辞書学の雑誌に投稿する際のスタイルシートです。

 
Monash University Library [Harvard author-date style](※英語サイト)
Harvard System of Referencing Guide [Anglia Ruskin University] Harvard styleの引用、参考文献の書き方が説明されています。
Harvard Styleの場合、作者のファーストネームはイニシャルにするようです。

 
《お役立ちツール》

Useful Expressions(英語史ゼミ2005)
東京外国語大学 英語史ゼミ(2005年度)のメンバーが、使用テキストから論文に有用な英語表現を抜き出したもの。「先行研究に言及」「問題の提示」など、いくつかのテーマに分けられている。卒論執筆時にはだいぶお世話になりました。
元サイトがなくなってしまったので、管理人の了承を得て私のサイトに移しました。

 
Satoru UCHIDA's Website
Tipsで「目次の付け方」「例文番号の振り方」など知っておくと便利な機能が紹介されています。

 


《他の人の卒論》(ウェブ上で読めるもの)

【注意!】
論文を丸写しするのは、剽窃(plagiarism)というれっきとした犯罪です。絶対にやめてください。
レポートにおいて剽窃がバレると、無条件で単位をもらえなかったりしますが、そうなっても自分の責任です。実際、必修科目の1つで剽窃が発覚したせいで、その年の必修科目すべてで不可をくらって留年したという例もあります(1つでも発覚すると、他の科目でも剽窃したとの疑いがぬぐいきれないため)。ちなみに、先生たちは論文やレポートのプロなので、見ると大体分かるそうです。
以下に挙げたサイトでは、卒論のほぼ全部を閲覧できますが、あくまで書式や構成の参考にするに留めるようにしてください。

 
「少年マンガの主人公像の変遷─『週刊 少年ジャンプ』の隆盛と失速─」
『少年ジャンプ』のストーリーを分析した卒論です。
トップページ:狩人王国

 
「よっしゃあぁ!こいつがオレの生き様じゃい!」 卒業論文「ヴァレンツ理論の独和辞典への適用」 "Anwendung der Valenztheorie auf Deutsch-Japanische Wörterbücher"
「ヴァレンツ理論」とそれを適用した独和辞書に関する卒論です。
トップページ:フラウゆどうふの「ギャグと私。」

 
Inside TUFS
東京外国語大学のサイトの一部。前年度の優秀卒業論文をPDF形式で閲覧できます。

 


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