2006年3月5日(日) Page 2
(Κυριακή) πέμπτη / Μάρτιου / δύο χιλιάδες οκτώ (Σελίδα δύο)
Page 1: 〈ラリサ駅〉 Page 2: ラリサ〜トリカラ トリカラ〜カラバカ(含リコンファーム) Page 3: (24) カラバカ 〈ギリシャのデザート〉
本来は8:50ラリサ発 13:13カラバカ着なので、およそ5時間半弱の乗車時間だ。
長い。退屈だ。
新幹線みたいに車内販売も来るけど、どうせ日本と同じで割高だろうから手を出さないでおく。
長距離だからちゃんとトイレもついていたけれど、ボタンを押しても水が流れない。
いくらslow responseと書いてあったって、1分経っても反応しないのは異常だろ。
ひょっとして、水圧が弱くて長めに押さないとダメだったんだろうか?
車内販売といえば、切符の検札が車内販売と同時に来た。
車内販売の前に車掌がいて、車掌は通路でいちいち止まるので、車内販売は前に進めないんだけど、なんとかしようとか思わないんだろうか。
それとも長く止まって買わせようという策略?
暇なので、時刻表を見ながら途中駅を書き出してみた。
読みはてきとーに書いてるので当てになりません。
↑車窓から撮影したリアノクラディ駅
↑国鉄車内。意外と新しくてきれい
ぼーっと座っていて、あと数十分で着くかと思われた頃、2度目のアクシデントが!
突然駅員がやってきて、なにやらわめきたてたのだ!
我々には英語で
'This is the last station! Get off!!' (ここ終点! 降りろ!!)
何だって〜!? ここカラバカじゃなくて、トリカラなんですけど!!
しかも同行者Αはその時ちょうどトイレに行ってしまうという間の悪さ。
とにかく、愛想の悪い車掌にトリカラ(ちょっと美味しそうな名前だ)で降ろされ、途方にくれる3人。
他の日本人グループが駅員に尋ねるも返事は'I don't know!'
おまえ駅員なんだから知らないはずないだろ!
どうしていいか分からないが、どうしようもないのでぼーっと空の写真(ギリシャ旅行記indexの背景)など撮っていたら、さっきの日本人グループがやってきて状況を説明してくれた。
なんでも、30分後にくる電車に乗ればいいとのこと。
で、ぼーっと待つのも飽きたので、駅の外に出て公衆電話からタイ航空にリコンファームをした。
リコンファームをしないと、最悪の場合当日飛行機の席がないという、恐ろしい手続きである。
運がよければ席をビジネスクラスに振り替えてもらえるが(マレーシア航空で経験)、数十万の正規運賃で帰らされる危険も高いのでこういう賭けはやめときましょう。
リコンファームのやり方だが、実際にやった同行者Αの話だと
「まずI'd like to reconfirm my flight.とか言って、あとは便名と名前(スペルアウトさせられる)を言えばいい」
とのこと。
数分で終わったので、思ったより簡単だったようだ。
(とはいえ、同行者Αは英検1級所持の英語ペラペラ野郎なので実は難しいのかもしれない)
↑テレホンカード τηλεκάρτα
【どうでもいいコラム】「テレホンカード」の語源
ギリシャ語でテレホンカードのことはτηλεκάρτα(telekarta ティレカルタ)という。τηλεは「電話」(τηλέφωνο telephono ティレフォノ)の略で、κάρταが「カード」。
τηλέφωνο (telephono)は英語のtelephoneとよく似ている。というか、telephoneは(古典)ギリシャ語を組み合わせて作った単語だから似ていて当然だ。
近代以降の科学技術で生まれたものは、こういう成り立ちの語が多い。
tele-は、「遠距離」を表すギリシャ語τῆλε(テーレ)から来ている。
これは他にも
television(「遠い」+「見る」video(ウィデオ)。但しvideoはラテン語由来)
telescope(「遠い」+「見る器械;鏡」。scopeはギリシャ語σκοπός(scopos) 'mark to shoot at'に由来)
などに使われている。
後半の-phoneは「音、声」を表すギリシャ語φονή(ポネー)から来ている。
microphone(「小さい」+「声」。microはギリシャ語μικρός(mikros, ミクロス)から)
megaphone(「大きい」+「声」。megaはギリシャ語μεγας(megas, メガス)から。)
なども同じphone由来だ。
なお、phonomaniaという語は一見すると「声優マニア」「音声学マニア」みたいに見えるが、これは「殺人狂」という意味なので注意が必要だ。
このphono-はφονος(phonos, フォノス)「殺人」から来ているので全くの別物である。
さて、テレホンカードの「カード」だが、ギリシャ語はkarta(カルタ)、英語はcard、ドイツ語はKarte(カルテ)……とよく似ている。
語源を調べてみたところ、【英語 card】 (寺澤芳雄(編)『英語語源辞典』研究社)
英語 card ← フランス語 carte 「(トランプなどの)カード」 ←イタリア語 carta ← ラテン語 charta 「パピルスの葉」 ←ギリシャ語 χαρτης(chartes, カルテース) ←エジプト語?
【ドイツ語 Karte】 (下宮忠雄『ドイツ語語源小辞典』同学社 より)
ドイツ語 Karte ←フランス語 carte ←ラテン語 charta 「エジプト産パピルスの紙片」 ←ギリシャ語 χαρτης
(同語源語:Karton(カルトン)「ボール紙」、英語のcard, chart、日本語の「カルタ」(ポルトガル語より))
となっていた。つまり、英語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・ギリシャ語は全て同じ語源だということになる。
閑話休題。ようやく電車が来て乗り込む。
今度のやつは心なしかボロいような……?
↑トリカラで乗り換えた電車
↑乗り換えた電車の車内
↑車内で発見したマーク。窓からの出入り、物の投げ捨てがOKだそうだ
トリカラからすぐにカランバカに着いた。こんな近いなら乗り換えなんかさせないで欲しいよ、全く。
まぁ、今日は特に予定がないから、遅れても困らないんだけどね。
↑ようやく到着したカラバカ駅
↑カラバカ駅時刻表(2006年3月現在)。本数少ない。