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2006年3月7日(火) Page2

(29) リスィクラテス記念碑  (30) シュリーマンの家  (31) 国立考古学博物館  〈スーパー「バザール」〉
(29) リスィクラテス記念碑

フィロパポスの丘を登ってきたのとは逆側(南)に降り、リスィクラテス記念碑(Μνημείο Λυσικράτη ムニミオ リシクラティ)へと向かう。
これは世界最古のコリント式建造物……だったかな? 手持ちのガイドブックに載ってないのでうろおぼえだ。確か、ディオニッソス祭でアテネの音楽家だか詩人だかが優勝したのを記念して建てられたそうだ。

リスティクラテス記念碑

↑リスティクラテス記念碑。コリント式なのは周りの細い柱

 

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(30) シュリーマンの家

リスティクラテス記念碑がどこにあるか分からないけれど、とにかくそこからまたシンタグマ広場に戻る。シュリーマンの家を見るためだ。
これはシュリーマンが晩年住んだ家で、本人は「イリウ・メテオロン」(トロイアの館)と呼んでいたそうだ。なお、「イリア」というのがトロイアのギリシャ語名であり、「イリウ」が「トロイアの」という意味。ホメロス『イリアス』も「トロイアの」って意味じゃなかったかな。(最初は「イリアス」って人の物語だと思っていた)

ここは昔、日テレの「心に残る家」という番組で紹介されたらしく、公式HPがあった。
家といってもピンキリで、野口英世の生家なんかわらぶき小屋だったが、シュリーマンは富豪だけあってすごかった。これって本当に家? こんなとこに住んでいいの?

イリウ・メテオロン

↑ゴージャスなシュリーマンの家

 

入口

↑壁の扉もめっちゃゴージャス

 

現在は貨幣博物館となっているそうだ。普段は入場料を取られるはずなのだが、今日はなぜかタダ。ラッキー。

シュリーマンの家入場券

↑入場券。「入場無料」と書いてある。

 

入場すると、係りの人がずーっとついてくる。仲間うちで話ができず(日本語は分からないだろうけど)、ちょっと気まずい。
何か質問しなきゃと思って、壁画のことを聞いたら、古代ギリシャの詩がたくさん書かれている、と教えてくれた。
あと、市内で「オ」の鏡文字のマークの青い旗をよく見かけるのだが、これと同じマークを刻んだコインがあったので「これって何ですか?」と質問したら、古代のΑ(アルファ)だと教えてくれた。ちなみに、あのマークを使っていた銀行の名はalpha bank。そのまんまじゃん。文字を使った銀行名といえば、omega bankというのもあったな。日本語は文字名=発音なのでそういうことができなくて悔しい。対抗して「いろは銀行」でも作るか。

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(31) 国立考古学博物館

イリウ・メラトロンからオモニア広場に向かって歩く。本日最後の目的地、国立考古学博物館(Εθνικό Αρχαιολογικό Μουσείο エスニコ アルヒュオロイコ ムシオ)に行くためだ。建物自体はスーニオン岬行バス乗り場に行く途中で既に見たんだけど、そのときは既に閉館していた。

国立考古学博物館

↑国会議事堂と同じく肌色の考古学博物館

 

入場券

↑国立考古学博物館の入場券。持ち歩いたのでクシャクシャになってしまった

 

ここにはギリシャ国内で発掘された主要な展示物が集められており、アテネ観光でのマストである。有名なのは「ゼウス像」「アフロディテとサテュロス」「馬に乗る少年」「アガメムノーンのマスク」「キューロス像」などなど。

博物館にはカメラは持ち込めるが、大きな鞄はダメ。カメラバッグくらいの小さなものならいいらしい。みんなバシバシ撮っていた。私は鞄にカメラを入れたまま預けてしまい、大変悔しい思いをした。

建物は2階+地下。地下はミュージアムショップとトイレくらいしかないが、中庭に20くらい彫刻が飾ってあった。室内にも像があるなと思ったらミュージアムショップだった。

展示は、年代別ではなく種類別になっている。だから、ある部屋は壷だらけ、次の部屋は柱だらけ、上にいったら貨幣だらけなんてことになる。初めのうちはいいんだが、同じものばかり見せられるとだんだん飽きてきてしまう。あちこちの博物館で似たようなの腐るほど見せられたってのもあるしね。アテネ by Nightで味わったエンドレス感を再び感じていた。
それに、ギリシャの博物館はわりとそうなんだが、入口〜出口とうまく抜けることができない建物の造りになっている。考古学博物館もその例に漏れず、左右の入口から入り、2階は奥中央の階段から上がり、また同じ経路で出なきゃならない。途中行き止まりの部屋もけっこうあったし。同行者Βと2階から降りてきたときなどは、出ようとしたのにまた階段に戻ってきてしまった。

そんなわけで、思ったより感動は覚えなかったのだが、1階にある大理石の像は気にいった。最初は何気なく見ていたのだが、アフロディテ像(サチュロスが絡んでいる有名なやつではなく、1人の立像)を眺めていてふと足元に目が留まった。指先が、爪まで精巧に彫りだされていて美しいのだ。本当に生きた人間のようで、自らが彫った像を愛したピグマリオン王の伝説も嘘ではないと感じられた。

同行者Αは博物館というものに全く興味をしめさないので、1階の半分も見ないうちに「先帰ってホテルで寝てる」とさっさと引き上げてしまった。私と同行者Βはもう2時間ほど頑張ったが、連日の疲労がたまったのと(博物館は立ちっぱなしなので意外と体力勝負だ)、とにかくどこの部屋も類似商品が大量に陳列されているのに圧倒され、後半のほうは適当に見て帰った。

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〈スーパー「バザール」〉

博物館からホテルに帰る途中、オモニア広場にあるスーパー「バザール」に寄る。実は、旅行中にスーパーに行くのが隠れた私の楽しみなのだ。安く食料や土産が手に入るし、奇食も探せるし、一般人の生活が見られるし、と色々と楽しめる。
案の定ミネラルウォーターなどはペリープテロより安い。同行者Αの話だと、1.5L買っても0.2ユーロくらいだそうだ。私は水ごときに金をかけるのが嫌なのでペットボトルに水道水をつめて持ち歩っていたが。(アテネの水道水は一応飲めるが、硬水なので合わない人もいるので心配な人は真似しないでください。責任もちません)
ひとまず土産(ハルヴァ)とおやつを買い、ホテルへ。ヨーグルトを買ったがスプーンがついてこなかったので(もらえる日本が珍しい?)、蓋ですくって食べたら「汚い」と同行者たちから非難が上がった。

ハルヴァ チョコ味

↑ギリシャのデザートの1つ、ハルヴァ。ゴマ味で甘く重い。
パッケージには"an ideal desert"と書いてあった。確かに砂っぽいが……。

 

〈2012年5月11日追記〉
このハルヴァスはイースター前の断食期間に食べる物のようだ。パッケージのΣαρακοστιανόςというのが「断食」だか「断食用」だかという意味らしい。
断食用以外にもいろんな種類があるらしく、知り合いのギリシャ人からはういろうみたいな物を紹介された。

休憩してから今度は3人でスーパーに買い物へ。今夜の夕食と明日の朝食を買うためだ。というのも、明日のエーゲ海クルーズは集合が7時。ホテルの朝食は7時からなので、間に合わない。
ということで3斤はありそうな食パン(やたら酸っぱい)を1.5ユーロと、ついでに激甘そうなチョコペースト「Pic-Nic Cream」(イタリア製)をも買って今後に備えた。

ちなみに、バザールは入口付近にデリコーナーもあり、そこでスパナコピタ(σπανακοπιτα)を発見したので買ってみた。
スパナコピタとは、ほうれん草が入ったパイである。ほうれん草は英語でスピナッチだから、スパナコがきっと「ほうれん草」って意味なんだろう。
味はまずくはなかったが、ショーケースに入ってたのにぬるかったっけ。あと、食べても食べても中身が出ないのには参ったね。同行者Αが買ったソーセージパイもそうだったから、ギリシャではこれが普通なのか? バターが効いていて変に満腹になった。

3人で買い物をした後、地酒のウゾとレツィーナ(ρετσινα. 松脂入りワイン)を買ってくるのを忘れたことに気付き1人でまたバザールへ。年齢確認もなく、なんなく安く買えたのでよかったが、行く途中で変な男たちに挟まれて"How are you?"と話しかけられてちょっと怖かった。昼間でも女の一人歩きは避けた方がよさそうだ。

ウゾ   レツィーナ

↑ウゾ(左)とレツィーナ(右)

 

明日は待望のエーゲ海クルーズだ。天気予報では雨のち曇りだが、こっち来てから曇りマークしか見てないのにずっと晴れてるから、どうせ当たらないんでしょ。
天気予報がどこまで正しかったかは、明日の旅行記を読むまでのお楽しみ。

(3月7日 終わり)

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