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2006年3月2日(木) Page2

(4) 国立庭園(+ マリソル)   (5) アクロポリス


(4)国立庭園

今日はマリソルに行ってツアーの支払いをせねばならんのだが、開店は9時。一方、こちらは朝7時に空港にほっぽり出され、名所を3つ回るもまだ9時前。しょうがないので開いている名所巡りを続ける。

次に来たのは「国立庭園」(Εθνικος Κηπος エスニコス キポス)。王妃アマリア(アマリアス通りの由来でもある)のために造られた公園が、王政廃止などを経て市民の憩いの場として公開されている。

……とのことだが、入ってみてびっくり。とても国立とは思えないくらい整備されていない。これじゃ日本のその辺の公園と変わらないじゃないか。道はところどころ崩れているし、剪定後の枝をつめたゴミ袋が通りに放置されていて通れなかったり、枝が散らかしっぱなしのところもあった。

木の説明プレートはあるのだが、全部ギリシャ語で解読不明。日本語で書いてあってもどうせ読まないけど。

途中にえらい人(たぶん)の胸像があったので撮影してみる。

国立庭園の像

↑誰だろこの人? 後ろに椰子の木(?)があるのが南国風。

 

 

そうこうしているうちにようやく9時になったので、ヴォリス通りにある旅行会社「マリソル」へと向かう。日本人が経営している店で、ギリシャ観光局でもここを紹介された。
建物は割とすぐ見つかったが、スライドしても押してもドアが開かない。しょうがないので、ドア近くの「4階 マリソル」と書かれたプレートを押してみる。これは呼び鈴だったようで、ブーと音がする。でもいっこうに開く気配がないので(オートロックだと思っていた)何回も押していると、女の人の声で「ドアは開いていますからどうぞ〜」と。もしやと思ってドアを引いて見ると……なんなく開いた。まさに「押しても駄目なら引いてみよ」、である。

ロビーに入ってからまた面食らった。エレベーターに取っ手がついている! なんじゃこりゃ!!

マリソルのエレベーター

↑普通のドアっぽいエレベーター

 

とりあえずボタン(↑も↓も押せないと思ったら単なる行き先表示で、その下の丸いボタンが正解だった)を押してドアを開けてみると……中にエレベーターがあった。さすが発展途上国(?)。マレーシアだってエレベーターがぶっ壊れて閉じ込められたことはあっても、こんなのなかったぞ。
4階(ギリシャではイギリスと同じく1階がground floorなので、日本で言う5階)に着いたが、いつまで経っても開かない。そりゃそうだ。手動ドアだもん。慣れるのに時間がかかりそうだ。

中では愛想のいいおねえさんが出迎えてくれて、無事支払いを済ませた。ちなみに、今回参加したツアーは全てマリソルで手配したものである。オフシーズンなので割引価格。
荷物1つでやってきた我々を見て、「荷物それだけですか?!」と驚くおねえさん。バックパッカーはツアーなんか申し込まないんだろうな。
このまま荷物しょって観光しようと思っていたが、閉店の17時まで預かってくれるというので、身も財布も身軽になって3人は街へと繰り出していった。

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(5) アクロポリス

イロド・アティコス音楽堂  プロピレア  パルテノン神殿  エレクティオン  アクロポリス博物館

マリソルを出て、南西にあるアクロポリス(Ακροπολις )に向かう。ヨーロッパ的なパステルカラーのかわいい街並みを抜け、狭い路地をひたすら上っていくと(ギリシャはどこも坂が多い)、ようやくアクロポリス周辺に着いた。
確信はないが、齋木俊男『ギリシア歴史の旅』によると、プラカ地区から崖沿いに抜け道があるそうだが、もしかしてこの道だったのだろうか。

アクロポリスは、Ακρος(アクロス)「高い、深い」(acrobat, acrophobia「高所恐怖症」のacro-と同じ)とπολις(ポリス)「都市、ポリス」という語の成り立ちから分かるように、高台にある。どうも古代ギリシャ人は丘の上に城を築くのが好きだったようで、ミケーネなども見晴らしがいい。
で、それがどういう結果をもたらすかというと……「遺跡巡り=坂をひたすら登る」ということになる。観光というよりはハイキング、遠足と言うより歩く会だ。アテネなんか他に丘4つもあるし。地図は平面だから全然思いもよらなかったが、けっこうハードだ。「旅行中はふだんの数倍歩くので疲れに注意」とガイドブックには書いてあるが、ふだんの数十倍は坂を登らされた気がする。これからギリシャ観光をしようとする皆さん! ぜひとも歩きやすい服装で行ってくださいね。

息を切らせながら入り口にたどり着き、入場券を買う。アクロポリスだけなら6ユーロだが、他の遺跡との共通券が12ユーロなのでそちらを購入。なお、使えるのは

  1. アクロポリス遺跡
  2. ディオニソス劇場
  3. ゼウス神殿
  4. ローマン・アゴラ
  5. 古代アゴラ
  6. ヘファイストス神殿
  7. アタロスの柱廊博物館
  8. ケラミコスの遺跡
の8箇所である。1箇所につき2ユーロ取られるので、たくさん回るなら共通券のが絶対お得。
金勘定の大好きな同行者Αは「全部回って元とらな!!」と張り切る。

共通券

↑遺跡9箇所の共通券。1箇所ごとに左の半券を切り離していくので、なくさないよう注意が必要だ。

 

大理石の巨大建築に感銘を受けつつ、中に入る。まずはイロド・アティコス音楽堂(Ωδειο Ηρωδου Αττικου オディオ イロドゥ アティクを見る。パルテノンの反対側なので、うっかりすると神殿に見とれて見忘れてしまう。

イロド・アティコス音楽堂

↑最初はただの壁だと思った。

 

次に目にするのがプロピレア(Προπυλαια)と呼ばれる前門。門というよりは神殿に見える。
門なので、ちゃんと下を通らせてくれる。

プロピレア

↑門ということは、神社だと鳥居にあたるのだろうか。

 

プロピレアをくぐって、ついに憧れのパルテノン神殿(Παρθενων)とご対面。青い空と白い大理石のコントラストが美しい。これを見ただけでもう満足だ。「パルテノンを見ずして死ぬ勿れ」という諺があってもおかしくない。

パルテノン神殿

↑朝だと逆光になるが、まぁしょうがない。

 

世界史の授業で古代ギリシャの柱の様式を習ったが、こうして実際に目にすると感動する。
ドーリア式=「シンプル」、イオニア式=「ぐるぐる」、コリント式=「ごちゃごちゃ」と覚えていた。

ドーリア式

↑パルテノンはドーリア式だ。

 

なお、パルテノン神殿近くには大勢の観光客がいて、写真を頼まれることがよくある。突然英語で話しかけられてもビビらないで、O.K.と言って撮ってあげましょう。カメラなんてどの国でも大体同じ構造です。同行者Αは写真を頼んできた人と親しくなって、握手までしていた。
そういえば、外国では写真撮るときの合図ってなんていうのだろう? "Say, cheese!"と言っても通じなかった。韓国だとキムチだっけか。

パルテノンの脇には6体のコレー像(κορη. 「少女」という意味)で有名なエレクティオンがある。ロープが張ってあって、あまりそばへは近寄れない。

↑神殿の下には意外と緑がある。

 

コレー

↑6人のコレー。複数だから、正確には複数形κοραι(古代読みでコライ)と言うべきか。

 

なお、神殿はあと数十年は修復中とのことで、生きている間は足場のない姿は拝めそうにない。
でもそれは興ざめというよりは、古代と現代が共存する不思議な風景で、月並みな感想だがギリシャという国を表しているような気もした。

修復中

↑神殿の修復に携われるなんてちょっとうらやましい。

 

奥の展望台で街を一望した後、アクロポリス博物館(Μουσειο Της Ακροπολις ムシオ ティス アクロポリスへ。少し低いところにあるので、目立たない。

アクロポリス博物館

↑入り口上部にはΜΟΥΣΕΙΟΝ「博物館」の文字が。

 

入り口では入場券が必要となるので、すぐ出せるよう準備しておくとよい。ちなみに、カメラの持ち込み可。

この博物館では、パルテノン神殿などの彫刻が展示されている。つまり、外で目にするのは全部レプリカというわけだ。それでも、単独で見るよりは偽物でも神殿に収まった姿の方がいいな。

破風

↑アテナなどを彫ったレリーフ


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